ベートーベン、ドビュッシー、そしてハーフェズ

友達のミュージシャン・歌手のYokoさんが新しいウェブサイトを立ち上げた。
Yoko K.


素敵な言葉がたくさんちりばめられていたので、メモしておこう。

Music is the mediator between the spiritual and the sensual life,

says Beethoven.

Rules do not make works of art;

works of art make rules,

says Debussy.

To complete a work, Debussy also says,

is just like being present

at the death of someone you love.

So those bars I see that restrain your wings

I guess you won't mind

if I pry them

open

says Rumi.


Yokoさんらしい言葉ばかりで、また久しぶりにゆっくり話したくなった。


特にペルシアの愛の叙情詩人・ハーフェズの言葉が最高だった。

One regret that I am determined not to have

when I am lying upon my death bed


is that we did not kiss

enough


says Hafiz.


"One regret that I am determined not to have
when I am lying upon my death bed
is..."に、自分ならどんな言葉を入れるだろう。

IDEO東京オフィスの人材募集要項を読んで思ったこと(続)

前にも感想を日記に書いたけど、久しぶりにIDEOの求人を眺めてみた。
表現がとても工夫されていて、メッセージが詰まっていて、いつも感心しながら読んでいる。


例えば、東京オフィスの求人の募集要項のひとつはこちら。
Jobs | ideo.com


Project Coordinator.
中身を読むと、通訳/翻訳を骨子としたアシスタントって感じとも取れる。
でも、あくまで提供して欲しい価値は、Project Coordinationですよ、と。


こんな感じ。


ビジネス英語必須、ではなく。
"gettings things done across languages (Japanese, English) and cultures."
あなたの仕事はあくまでgetting things doneなのである。
そのために二つの言語を自由に行き来しなきゃならないんです。


事務処理経験尚良し、ではなく。
"their coordination and language expertise to contribute towards client work, research projects, studio inspiration, translation to and from Japanese, and more."
クライアントワークや、リサーチプロジェクトや、会社全体の野望の実現に向けて、あなたの事務・調整や言語スキルを生かせる人を求めています。


白眉はここ。
"thrives on creating order out of chaos while exhibiting exemplary time management and organization skills."


"creating order out of chaos"
事務処理スキルを最大限かっこよく言うとこうなるのかあ、と。
ちょっとした作品だ、これはもう。


「混沌から秩序を生み出す」


神様かと。


本当に丁寧に作っているんだろうなあ。また気が向いたら眺めよう。

賢者の贈り物

さいきんは暇さえあれば本ばかり読んでいる。


鞄に入れている「小林秀雄 岡潔『人間の建設』」は、電車の中で。


集英社文庫編集部編『短編工場』」は、会社の机に忍ばせている。


柴田元幸アメリカン・マスターピース 古典篇』」は、風呂に浸かりながらゆっくり読むことが多い。


青空文庫で読んだ「オー・ヘンリー『賢者の贈り物』」には、心を打たれた。
かなり小ぶりな短編なので、ちょっとした息抜きにでも読んでみるといいと思う。

賢者の贈り物
http://www.hyuki.com/trans/magi.html


なんだか気分も体調もすぐれないけれど、それでも、目を凝らせば日々にあたたかい瞬間がいくつもある。


親父が言うように、手を合わせて、感謝しながら毎日を過ごそう。


そのうち、また勝手にエンジンがかかってわーっと走り出せるだろう。

いろいろメモ

さいきん読んだ本、または読んでる本


フラニーとズーイは、夢中になって一気に読んだ。


新潮社のウェブサイトに村上春樹のエッセイが載ってる。
「成立前後の事情」のくだりが抜群に面白い。
http://www.shinchosha.co.jp/fz/


歴史を考えるヒントも、面白い。まだ4分の1くらい読み進めたところだけど。
現在僕たちが意識せずに使っている様々な言葉の歴史を紐解いて、日本という国をいろんな角度から見つめ直していく。


「日本」という国名はいつ頃、どのようにして決まったのか。いかに日本列島が多様性を内包する地域であるのか。
「九州」が地域としてその輪郭を持ち始めたのは、モンゴルの襲来がきっかけだったこと。
現在の「九州」や「四国」といった地域観は、神仏との関わりによって少しずつ形作られてきたこと。


さいきん観た映画

  • ダラス・バイヤーズ・クラブ(これも飛行機の中で観た)
  • チョコレートドーナツ(原題は"Any Day Now")


どっちも良かった。かなり良かったな。
特にチョコレートドーナツのアラン・カミングは、圧巻だった。
何なんだあの存在感。歌うますぎるし。


その他徒然なるメモ。

  • active design: 人が自然とちょこちょこと体を動かす(micro-movement)ように促すような建築/環境デザインの手法
  • Freelancers Union: フリーランスの人のための労働組合。サービス提供のための会社も持ってる

Australia and Japan: Scrum-halves(日本とオーストラリアがスクラ

昼休みにこんな記事を読んだ。
Australia and Japan: Scrum-halves | The Economist http://econ.st/1mC8xVU


JBPressが日本語訳してる。
日本とオーストラリアがスクラムを組む? http://goo.gl/fyg0P7


この記事の後半に、こんなくだりがある。

China’s bullying of neighbours over maritime claims is behind much anxiety in Asia, and a chief reason why Japan wants to bolster its own security and recruit friends.(アジアの多くの懸念の背後にあるのは、海上の領有権を巡って近隣諸国を脅す中国の態度であり、それが日本が自国の安全保障を強化し、友人を増やそうとする最大の理由になっている。)


Yet Japan’s poor relations with neighbours, mainly over wartime history, allows China to tout the myth that Japanese militarism is on the prowl once more.(だが、主に戦時中の歴史を巡り、日本と近隣諸国との関係が険悪なために、中国は日本の軍国主義が再燃しているという虚構を喧伝することができる。)

He supports Japan’s decision earlier this month to ditch a ban on coming to the military aid of allies if Japan itself is also under threat. Mr Abbott welcomes Japan’s becoming a “more capable strategic partner in our region”.(アボット氏は、日本にも脅威が及ぶ時には同盟国の軍事的支援にかけつけることを解禁した7月初めの日本の決定を支持している。同氏は日本が「太平洋地域のより有力な戦略的パートナー」になることを歓迎している。)


感想を書こうと思ったけど、仕事が入って書く時間がなくなってしまった。後で思い出したら書こう。

近況

Hondana.orgが重くてアクセスできないから、こっちにメモすることにする。
ついでに少しだけ何か書いておこう。


この一ヶ月、いろんなところに行った。
カンヌ、ヘルシンキサンホセ、サンフランシスコ…


いろんな人に会った。


トルコの大統領が試みたインターネットの検閲施策を、メディアのパワーとクリエイティビティで覆してしまった彼ら。
肩肘はらず、テクノロジーとクリエイティビティでどんどん新しいことに挑戦している彼ら。
自転車まで貸してくれて、ヘルシンキを一緒にサイクリングしながら知り合いのスタートアップいくつかに連れて行ってくれた彼。
日本にかつて住んでいて、流暢な日本語を話すフィンランド人の彼女。
ハンモックの吊るされた庭で育てている鴨の家族の話を楽しそうにしてたサニーベールの彼女。


主に飛行機の中で、いくつか映画も観た。


グランド・ブタペスト・ホテル
her
catch me if you can
3 days to kill
counselor
鍵泥棒のメソッド
そして父になる
しらゆき姫殺人事件


いくつかの本も読んだ。


カリタ教授の奇妙なユートピア探検(スティーヴン・ルークス)
短編復活(集英社編集部)
命を救った道具たち(高橋大輔
女のいない男たち(村上春樹
ノックの音が(星新一
アルケミスト―夢を旅した少年(パウロ・コエーリョ



女のいない男たちは、なんだかグサリと刺さるくだりがいくつかあった。
大雨の日に、本屋で一気に立ち読みするっていう状況のせいもあったかも知れない。
アルケミストがいちばんのお気に入り。折に触れて読み返すかもな、と思える本だった。


映画も本もいくつか抜けている気がするけど、まあいいとする。
そろそろ昼飯を買いに行かないと昼休みが終わってしまう。


だらしなくてもかっこ悪くても、ちょっとずつ前に進もう。
前兆を見逃さないように、しっかり今を生きなくては。

小鹿田の飛び鉋と北限の民窯・小久慈

久慈焼

南は小鹿田(おんた、と読むらしい)、北は久慈。
どちらも、何とも言えない、陶器をつくりだす町。


いつか行ってみたい。


小鹿田焼がオンラインで買えるサイト。
ほとんどが品切れなので、買える、とは言えないかな。
小鹿田焼|和食器の通販 monsen


写真を見ると、北欧の陶器だと言われたらそう思ってしまいそうだ。
独特の模様は、飛び鉋(とびかんな)と呼ばれる技法によるもの。


カッコイイよねえ。


こちらは小久慈焼。素朴なのに、うつくしい。
小久慈焼


「北限の民窯」なんて言われたら痺れてしまう。
「主に日用の雑器として用いられ」ってのもたまらない。


オーダーメイドも出来ちゃうとのこと。プレゼントにいいねえ。


うずうず。