先輩の日記より

perman2006-02-22

明日は孫崎先生の講演会。


JASCを知りたいと思ってる人にとって、
JASCに応募するか迷ってる人にとって、
ふらっと遊びに来た人にとって、

有益なイベントにしたい。


以下、先輩の日記の転載です。
ちなみに無断です。
著作権の侵害です。


OVALについて、そしてひとりの男の将来へのビジョンについて。

長いけど読んでみて。

まず、OVALは多分僕の未来にとって凄く影響を与えるものとなると思います。



本当に日本人の意識が低いことを思い知らされた。



同時に、日本人は彼らをリードしていく潜在的な可能性を大きく秘めていることも確認した。




というよりも、もはや国境や国籍は関係ない。



本当にクリアなVisionを持ち、世界をenergizeしていける人間が必要であることを痛感する。



すごく感覚的でロジックなど何もない。それでいい。

後からどうしても説明が必要なら組み立てる。




このまま、中国等の競争に対してaggresiveな人が増えるならば、

世界は良い方向には向かっていかないだろうことを感じた。



彼らのうち、

北京大学のようなエリートは、給料が良いConsultant, Investment Bankerを目指し、

そのほかは、その高い言語能力やオペレーション能力から、先進国のアウトソース先になっていく。



それらは完全に序列づけられ階級となる。


そのようなCultureが占める中国では、誤解とステレオタイプを恐れずに言うならば、

彼らの多くのVisionは競争に勝つことであり、自分が金を得ること、1位になること。




アメリカの資本主義に巻き込まれ、世界は間違った方向に進みつつある。




その無限なる金への欲求が間違った方向に向かっていることは、

資産家の行動を一目見ればすぐわかる。




デリバティブ取引は、元あったリスクヘッジの意味を失い、

限界を超えて証拠金取引を増やし、架空の資金は大いに世界経済のリスクを高め、

どんな大きな企業でさえ一発で吹っ飛んでしまうような仕組みになっている。



それらは、証券会社という虚業者の行為による、

もはや金持ちが更に更に不要なほどに金持ちになる制度でしかない。



それらは更に資本家に権力を与え、彼らは更に資本主義を強化していくに違いない。

それが彼らにとっての欲求を満たすことなのだからしょうがない。

彼らは欲を満たし続けるために、資金を増やし続ける。

マネーゲームを通じて。



そうすれば、アメリカの1%の人口がほとんどのアメリカの資産を持っている

という構図が生まれる。



彼らはビバリーヒルズに住み、ロデオドライブでブランドを買い漁る。

それらはある種のシンボルと化し、残りの99%の妄想を膨らませる。



それらは、多くの人の中にうしろめたさ、屈辱感を与え続け、

更なる金への欲求を膨大にさせる。



そうやって1部の資本主義は成立する。




しかも、それは国境を越え、確実にグローバリゼーションという虚実のもとに

1つの価値観の押し付けがなされていく・・・・・・・・・






僕達はこのままでいいのだろうかと考える。

経済大国を目指し、政治大国を目指し、競争能力を高め、資本を増やしていく。



普通の国家になる」といい、憲法9条を破棄し、

自らが反省と平和を願って立てたVisionをいとも簡単に切っていく。



国家的屈辱感がナショナリズムを生み、国境の色を濃くする。

それらは国家間対立を生み、不要な争いを起こす。



ナショナリズムという衝動と自らのプライドの保護のために、

大きなVisionを切り捨てる。そして戦いへと向かう。



本当に自分に対して真摯であるならば、

Visionを大事にするべきである。



そして、

自分の軸をしっかり持つ。

多様性を認める。

相手を許容する。

共感する。



そうすれば

扇動的ナショナリズムなんて起らない。



そのような中では、国民は思考を停止し、

結局は、権力や金が目的となる。



それが目的となるならば、それらは資本主義という偽装によって、貧富の差は拡大し、

富むものは更にプライドで固まり、貧しいものは飢えていく。



どちらも幸せとはいえない。



それらは更にグローバリゼーションという価値観の押し付けによって、世界に伝染し、

ちょうどアメリカが原爆を落としたのを正当化し、

日本がアジアに侵略したのを正当化し、

そうやった欺瞞に溢れた世界になっていくのを権力という名のもとに

大衆が許していく、またナショナリズムに発展していき、対立を起こし続ける世界しか僕には見えない。



そのような正当化や欺瞞は人の精神的な豊かさを蝕んでいくのに、

そのものさしは全く違う「金」であるために、それらは反省されずに

繰り返されていき、いずれ自滅する。



これが、今のままでいく場合の世界のシナリオだろう。




もう1つは、そのような循環から脱出する方法である。



競争することを止め、他の国が競争によってどんどん発展していこうが、

自らの価値観を貫いていく。そのような競争に重きをおかず、やや鎖国的な自給自足的生活になるという方法である。ブロック経済を目指すEUのようなものだ。


そのような方法もあるかもしれない。




同じかも知れないが、僕なりに言い換えるとこういうことだ。


最終的に僕たちが目指すべき方向は、それぞれの背景や価値観を持つものが、互いに理解しあい、

互いに話し合い、Visionを形成し、そのVisionによって世界が形成されていく世の中である。



その話し合いの過程においては、国家や国益は度外視され、

本当に多くの人が幸せに暮らしていく世の中を創造することである。



幸せの軸は押し付けであってはならない。

互いが互いを尊重しあいながら、それは形成される。




だいぶ、偉そうなことをいっているかもしれない。




ただ、そういう世の中に世界は変わっていかなければならないと、本当に思う。




そして、そのような世界に変わっていくために、僕はビジネスという分野でのコンピテンシーを鍛え、

使いながら、そのVisionを達成していく道を選んだのだ。




だからやるしかない。





そんな中で、就職が決まってから1年間、

いろいろ捜し求めていたものが少しづつ具体的になってきた気がする。





ここで、1つだけ紹介してみようと思う。



それはこれから入社するPGでの僕のVision



大きすぎてアホかと思われるかもしれないが、こんなことをしたい。

実際はそんな甘くないといわれるかもしれないが、こんなことをしたい。



現在、多くの会社はネクストマーケットを目指している。

それらはアジア・アフリカ等である。



消費財のような必要不可欠なものから大衆としてのネクストマーケットは開拓されていく。



更に、先進国で完全に飽和している消費財業界は、ネクストマーケットを目指さざるを得ないし、

そうやって多くの人の生活を幸せにしていくのが我々のMissionである。





その中で、本当に彼らが欲するものを、彼らが欲する方法で、

彼らの将来を彼らが選択していけるような方法で、マーケットを開拓し、

生活を豊かにしていくことができれば良いと思う。



具体的に、石鹸や洗剤を導入する際に、現在の性質の石鹸導入によって30%の幼児死亡率が減るとする。しかし、現在の石鹸では環境破壊があるし、洗濯機を導入しなければならないとする。



そんな中で、彼らは生活スタイルや環境を変えたくないと彼らが望んだとする。



そうするならば、僕達は、まず、環境に良い洗剤や石鹸を開発しなければならない。

現在の技術が、洗浄力が高いからといって、それらを彼らに押し付けることはしない。

洗濯機を押し付ける必要もない。洗濯機を使わずに使える方法を選択する。



僕にとって短期的な急成長は必要ではない。

それらは、間違った利益収奪を意味する。



持続可能な利益を発生させ、それらによって生活を豊かにする。



急成長を求める株主ならどこかにいけばいい。

そんな資金はいらない。



お前が金持ちになるために、僕らは働いているんじゃない。

お前がフェラーリに乗って、女を買うために僕らは働いているんじゃない。

お前のプライドを護るために、僕達は自らの身体を駆使して労働しているわけじゃない。



僕は君たちの奴隷ではない。






僕らは製品を使ってくれている多くの人が幸せになり、気持ちが豊かになるために、汗水を垂らして働く。



そして、

どの程度、彼らが洗浄という便益を必要としていて、どの程度環境の変化を重視しているのか。

この製品を使うことで、具体的にその人の生活はどう変わり、どうなるのか。



それらをできるだけ具体的かつわかりやすくコミュニケート&説明しながら、選択させていくことが望ましい。



我々の開発費が高くなるからといって、

我々が使っている「環境に悪いが、30%死亡率が減る洗剤」を強制してはならない。



むしろ、彼らのニーズを本当に汲むことで、彼らが長期的に生活を豊かにしていき、

そして、長期的に投資回収ができるプランを選択していくような開拓をする。



それがFeasibilityである。

Feasibility Checkとは、それが不可能であることを証明するためのものではない。

Visionを可能にしていくものでしかない。



それが不可能であると判断し、もしくは、他に一番儲かる方法があるとし、

「環境に悪いが、30%死亡率が減る洗剤」を選択することではない。



「環境によく、死亡率が下がり、消費者が1番幸せな生活を営めるための洗剤」

を可能にしていくための検証である。






「それはできない。あれは無理。これは無理。できない。」

といっている人は、じゃあ行動しなければいい。



その代わりに、僕は (envision, engage)

「できるかもしれない。やってみよう。」

と多くの人に言ってもらわなければならないし、



「できる。できた!」 (enable, energize, excute)

と言わせられるリーダーにならなければならない。




そのような過程で、消費者が、「彼らなりの幸せ」を追求するためには、

多くを「能動的に」考え、実際に行動し、選択をしていかなければならないという習慣をつけていきたい。




そうするならば、何らかの自らの利益しか考えていない企業が進出してきたときに、

彼らはそれらを拒否することができる。




そのような、自らの幸せを自ら選択していくという習慣をネクストマーケットの開拓に関して作っていき、

スタンダードと化し、先進国の虚業企業の後進国に対する乱伐を防ぎたい。




それらのスタンダードを作れるのは、20億人の消費者を相手とする唯一の企業である

PGであると今は考えている。



本当に人の意識を変えて生きたい。




このようなことに自らの情熱を注ぎ、それらが彼らの選択と多様性の自由を確保し、

そのような影響が先進国にFeedbackしていき、世界が自らの幸せについて深く考えて選択していける

ような世界を創造していくのが1つの夢である。



反応的ではなく、強制されるでもなく、自らが自らの価値を選択し、生き方を選ぶ。




そんな中で、PGの製品が媒介となって、更には世界共通の言語として機能し、

そのコミュニケーションが促進され、対話が繰り返され、共感しあえる。



そんな生活の豊かさを創造していくことが僕のMissionであると考えている。




このためだったら、どこでも飛んでいく。

自らがリーダーシップを取り、世界を幸せにしていきたい。




そのスタンダードを作る。




もはや、資本主義とかグローバリゼーションとかいうバカらしい話は

どうでもいい。




僕はただただ、バカみたいに、人を幸せにしていく。

押し付けにならないことに呆れるくらいの注意を払いながら。



そのようなMissionを達成するための能力を身に付ける。



貪欲に成長したい。




その能力はCompetency=競争力と訳されるべきではなく、



「目的達成能力」と訳されるべきである。



目的のないものに、Competencyは不要。

目的がないのに、競争をしてもそれは本当に無意味。



「金と能力を作ってからその過程で自分の目的を見つける」

という人は僕は今でも信用できない。



VisionがないものがLogicを駆使しようがそれらは何も達成しない。




人間、夢を描いてなんぼのもんである。



僕は目的を持って、バカみたいに、それに向かう。

そういう人間になりたい。