一次選考

perman2006-03-03

参加希望者全員のエッセイを読み終えた。
共に第58回日米学生会議を創り上げる仲間たちが集うときが近づいている。

最高の会議を創る為に、最高の仲間を選ばなくてはならない。
最高の選考を、最高の集中力で行わなくてはならない。

あるOBはこう言った。
JASCにはカタチがない。人がすべてなんだ。」


一年前に、自分はどんなことを考えてJASCに応募したんだろう。
そう思って、去年提出した小論文を読んでみた。

1.文化と宗教を越えた様々な国々の交流と共存のために

今月22日の朝日新聞夕刊の一面に、ブッシュ米大統領シラク仏大統領がにこやかに談笑する写真が載せられた。二期目のブッシュ政権は、シリアやイランへの圧力を強め、欧州との関係修復を目指しているというのだ。なぜ、ブッシュはイラク戦争であれだけ対立した仏や独と手を結ぼうというのか。圧倒的な軍事力を持つ「唯一の超大国アメリカにとっても、「中東の民主化」と「テロとの戦い」は難しすぎる課題なのだ。
アメリカは他にも、アフガニスタンイラクの「復興」やパレスチナ問題など、イスラム諸国との様々な問題を抱えている。多くの国々と関係するこれらの問題の解決は、国際政治における主要なテーマでもある。日米のパートナーシップは、それらの解決になくてはならないものだ。
日本とアメリカは、互いに工業製品・文化など様々なものを輸入しあっている。経済・文化面だけでなく、政治・軍事面でも重要なパートナーだ。だが、文化や宗教を越えた衝突が世界規模で問題となっている現在、日米のパートナーシップが果たすことのできる役割はこれまで以上に大きいものになる。
なぜなら、日本だけがアメリカを代表とする資本主義の国々と、イランやイラクなどイスラム圏の国家を橋渡しできるからだ。なにより、日本はこれまで、イスラム諸国に対し「大国の論理」で侵略を行ったことがない。また、ODAによる経済的援助や企業の技術提供と研修の実施に加え、民間のNGONPOによる様々な支援を続けてきた。イスラム諸国の市民の持つ対日感情は良好だ。『中東レポート:アラブの人々から見た自衛隊イラク派兵』(監督:佐藤真)では、イスラム圏の多くの知識人や市民が「高い技術と資金を持つ日本は、自衛隊の派遣ではなく、これまで通り、NGOなどを通した復興のための経済・技術援助をすべきだった」という意見を口にしていた。これは、これまで長い時間をかけ培ってきたイスラム圏の市民レベルでの日本への信頼を裏付けている。また、日本は特定の宗教を持たず、私たちの多神教的な文化はイスラムの人々と交流しやすい背景を持っている。
アメリカを代表とする資本主義国の一員である日本。日本の持つイスラム諸国との国民レベルでの絆と、地道に築き上げてきた信頼関係は、これらの国々を橋渡しすることができる唯一のネットワークである。日米の関係は互いにとって、そして世界の国々と人々にとって、重要かつ不可欠なものなのだ。
(1001字)
2.

  国民生活白書によれば、自殺者数は98年以降急増し3万人を超えるが、60歳以上と50〜59歳を合わせると6割にのぼり、高齢者へのアプローチが不可欠である。「早稲田異世代ホームステイ企画」という、高齢者の家に学生を下宿させ、世代間の交流を盛んにする計画が今春開始する。高齢者は、若者との交流を求めている。
  自殺の根底にあるのは「自らの生きる意味を見出せない」ということだろう。社会における役割を見つけられない、と捉えてもいい。自殺の増加は、現在の社会構造が限界を迎えつつあることを表している。
  私が提案するのは、農家や伝統工芸の工房、中小規模の工場など、高齢の熟練技術者のもとへのインターンである。これは、輸入依存により成立している食料自給率の低さ、長い時間をかけ作り上げられてきた熟練技能の喪失などの危機からの脱却につながる計画だ。受け入れ側は後継者の発掘や労働力の確保を期待できるし、世代を越え交流できる。参加者は「社会の一員」という実感を持ち、人と人とのつながりを感じる。
  少子高齢化・人口減少は、経済成長を基盤に据えた現在の社会の「崩壊」を意味する。しかし、現実を見据えたヴィジョンのもと、新しい国家像を作り出せば、この状況はチャンスにさえなる。このプログラムは、その役割の一端を担うものだ。関係する人々の「生きがい」になるだけでなく、人口減少社会における「豊かな小国・日本」という新たなる希望の創出につながるだろう。
(608字)

3へぇ。