平和とは

perman2006-10-29

平和ってなんだ?


歴史作家の司馬遼太郎はこう言う。

平和とは、まことにはかない概念である。
単に戦争の対語にすぎず、“戦争のない状態”をさすだけのことで、天国や浄土のように高度な次元ではない。あくまでも人間に属する。平和を維持するためには、人脂のべとつくような手練手管が要る。
平和維持にしばしば犯罪まがいのおどしや、商人が利を逐うような懸命の奔走も要る。
さらには複雑な方法や計算を積みかさねるために、奸悪の評判までとりかねないものである。例として、徳川家康の豊臣家処分をおもえばいい。家康は三百年の太平をひらいた。が、家康は信長や秀吉にくらべて人気が薄い。平和とは、そういうものである。


ナチスと闘ったチャーチルもこう言っている。

わたしは鉄面皮の悪よりも、むしろ平和のための偽善をよしとする。


そして、ローマの政治家キケロの言葉。

私は最も正しい戦争よりも、最も不正な平和を好む。


平和とは、穏やかで静かな土曜の午後のことではないと、彼らは言うのだ。


ある国の平和も、他国がまた平和でなければ保証されない。
この狭い相互に結合した世界では、戦争も自由も平和も全て連帯している。


ネルーの言葉。“第三世界”の盟主はこうも言った。

我々が加わりたいと思っている陣営はただ一つ。それは平和の陣営である。
これにはできるだけ多くの国が参加すべきだ。