ダリとヴォルテール、そして笙野頼子
「私は道化ではない。
しかし、この異様にシニカルな社会は無邪気にも、
狂気を隠すために真面目さを装っているだけの人間を見抜けないのだ。何度も繰り返すが、私は狂人ではない。
私は明晰な洞察力を持っており、今世紀に私ほど英雄的でかつ傑出した非凡な人物は、
ほかに存在しない。ニーチェだけが−かれは気が狂って死んだが−
私に匹敵する人物であり、私の絵がその明白な証拠である」
ヴォルテールの胸像についての絵があって、彼の
I disapprove of what you say, but I will defend to the death your right to say it.
という言葉に震えたという話をした。
そのヴォルテールはこう言った。
政治が誤っているとき、正しいことは危険である。
そして、最後に笙野頼子。
どこだってそうなのだ。あらゆる国々に合わせてそこの国民は各々にクルう。「どうかしている」事、それがそこでの平穏な生活を保つ唯一の方法なのだ。どんな場所ででも。
『水晶内制度』の中の言葉。
- 作者: 笙野頼子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/07
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