A Perfect Day for Bananafish

昼過ぎに起き出して、だらだらと目的もなく夕方を待った。
さすがに空腹に堪えられなくなった頃合いを見計らって、街に出る。


いつも通り、近くのケバブ屋でミックスソースのケバブを買って食べる。
いつも通り、イラン人のおっさんが店員と愉快そうに話している。
いつも通り、店の外のベンチには地元の子供連れがのんびりケバブを食べている。


何の変哲もない、特に何をやる気もしない曇った日曜日。
古本屋に立ち寄ったら、かわいい表紙の"Monky Business"という雑誌が置いてあった。
柴田元幸が訳したサリンジャーナイン・ストーリーズがまとめて載っている、それしか載っていない特集号だった。

彼女は電話が鳴ってもいっさい何も中断しないタイプの女の子だった。電話なんて思春期に達して以来ずっと絶え間なく鳴っているみたいな顔をしていた。

こういう文章が散りばめられている。村上春樹も訳していた気がするな、と思い出す。


チャック・ベリーがこう歌う。

Same thing, every day, getting up, going to school
No need of me complaining, my objections over-ruled
Too much monkey business
Too much monkey business
Too much monkey business for me to involve again

良くもないけど、まあ悪くもない一日だったなと思い返して今日もまた終わる。
毎日自分を待っている仕事があって、誰かを助けあるいは失望させてしまう状況にあるというのは、幸せなことなんだろうなと考える。それはそれで、それなりにかなり大変なことなんだけれども。


バナナフィッシュの宿命について思いを馳せながら、僕はベッドに入る。
おやすみなさい。明日もがんばろうじゃないか。