9つの条件

ナガオカケンメイさんによる、「ナガオカケンメイ」たるものの9つの「肩の力の抜けた条件」。

1 大先生ではなく、偉くなく、誰とでも語れる状態の人。会おうと思ったら会える人。
2 自分自身でも店をもったり会社を持ち、社会に具体的に向き合っている人。
3 実行することに興味がある人。
4 専門家ではなく、広く浅く、なにか「いいこと」に導いてくれる人。
5 若い生活や、新しいことに興味のある人。
6 言葉を発し、文字を書き、定期的に考え方を公表する人。
7 普通の人でも参加できる「社会を変える仕組み」に、関心がある人。
8 そこそこでいいから、業界に顔がきく人。メディアに多少出てる人。
9 一般的な生活者である人。

http://www.d-department.com/jp/nagaoka/blog/2011/04/post-137.html


一般的な生活者である人。


前に広告代理店で働く友だちと話していた時に、彼女が尊敬するとあるディレクターは、どれだけ偉くなっても、お金持ちになっても、「ふつうの人」としての感覚を忘れていないって言っていた。たまにびっくりするんだよね、あまりの生活感に、って。


生活の手触りをいつも体に染み込ませておくこと。


広告やマーケティングブランディングをする上で、つまり人々にメッセージを届ける上で、そういう「あたりまえ」の感覚はものすごく大切なことなんだと思う。


たとえニッチな層に訴求したいとしても、その感覚と手触りが座標軸になる。基本が分かっていないと、応用も出来ない。守破離の守。一般的な生活者であることは、エッジを生み出すときにだって、無くてはならない基礎になるような気がするなあ。


ナガオカケンメイさんは、こうも言っている。

「デザインの世界には、なにかそういった「自分でデザインしているのに、自分で一生使わない」みたいな、不自然な感覚がある。専門家ではないから、その不自然さを直接、変えることはできないけれど、もし、今、デザインを正しく変えることができるとしたら、それは間違いなく「デザインに関心を持った一般生活者」だし、国を変えるのは政治家ではなく、国に住む生活者ひとりひとりだと思いたい。」


何だか石川直樹さんの言葉を思い出した。
心の中に、島は見えるか。 - kuru kuru panta rhei