さようなら、ニュートンさん。
あの「最後の錬金術師」が万有引力を発見してから、もう300年以上が経ったんだね。
僕自身は、木から落ちるリンゴを見てっていうエピソードよりも、下院議員として議会での唯一の発言が
議長、窓を閉めて下さい
だったっていうヤツのほうが好きです。
ニュートン、シュール。
でも、ニュートンと比べるとかなりエネルギッシュな大前さんは「ニュートンの時代は終わった」と言います。
じゃあそろそろ俺ら空飛べんのかっていうとそういうワケではないみたいっす。
この複雑系の時代においては、ニュートン力学的な線形思考では生き抜いていけない、と。
- 作者: 大前研一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/11/05
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リンゴが木から落ちる地点は、いくつかの条件がわかれば割り出すことが出来る。
でも、現代ってのはリンゴじゃなくて、はっぱがどこに落ちるかを考えなきゃならない時代なんだ、と。
はっぱは風の強さやその吹く方向でフラフラわけのわからない動き方をするし、枝からの生え方のちょっとした角度の違いでもうぜんっぜん計算大変になるし、おまけに突風なんか吹いちゃった日にゃお手上げです。
複雑系でボーダーレスな現代社会においては、条件が同じでもいくつかの答えがありうるし、初期条件の微妙な違いが決定的な差異を生む。
そういう状況に耐えうる、タフで柔軟な非線形思考を身に付けろって彼はそう言うわけです。
しかしそれどころか現代ってのは、ゆっくりリンゴが落ちる場所を予測なんかもしてられない。
温暖化でリンゴが熟れる季節は早まるし、虫も元気になってすぐ荒らされちゃう。
異常気象で洪水やら旱魃やらに見舞われちゃう。
そもそもグリーンランドと南極の氷が解けて、水没しちゃう。
油断してるとハリケーンが来て根こそぎ飛ばされちゃう。
ニュートンみたいに錬金術の実験ばっかりやってられない時代みたいです。
ってのは「不都合な真実」と火曜日のNEWS23の宣伝。
http://d.hatena.ne.jp/perman/20070114
でも僕自身は、非線形思考がどうのこうのっていう話よりも、日産の改革に関する記述の方に衝撃を受けました。
ゴーン氏は、当たり前のことを言っているだけでよかった。
何か異論を挟んでくる人間には「ジュヌセパ」(わかりません)と言っていれば、改革はどんどん進んでいくからだ。
ジュヌセパ、すごい。
魔法のコトバ、ジュヌセパ。
本当はこの話を導入に、憲法改正について論じようと思ってたんだけど、疲れたからまた今度にします。