BRAC

面白そう。わくわく

 立教大学は世界最大の非政府組織(NGO)であるバングラデシュのBRAC(ブラック、用語参照)など、アジアの3巨大NGOと連携協定を結ぶ。バングラデシュ、タイ、フィリピンで政府に代わり医療、福祉や教育を担うNGOに対して、立教大から学生をインターンシップ(体験実習)生として派遣。すでに協定締結済みのグラミン銀行と併せ、組織の運営マネジメントやソーシャルアントレプレナー社会起業家)のあり方を学ぶ。さらに3カ国の有力大学とのこの分野での共同学位も検討する。

 バングラデシュのBRAC(ファズレ・ハサン・アベッド総裁)は、金融から保険医療・教育につなげた貧困撲滅事業を各国で展開し、職員10万人、世界オフィス140カ所、年間予算600億円の規模。立教大はBRACと連携し、1月にNGOマネジメントの国際会議が日本で開かれる時にアベッド氏に名誉博士号を授与する。すでに06年にノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏の名誉博士号授与と、同氏が率いる同国グラミン銀行と協定を結んでいる。

 またタイのPDA、フィリピンのPBSPとも協定の準備に入っている。さらにNGOをテーマにバングラデシュダッカ大学、タイのチェラロンコン大学、フィリピンのアテネドマニラ大学とも連携を進める。

 立教大ではNGOや民間非営利団体NPO)、企業の社会的責任(CSR)などを取り上げる大学院21世紀デザイン研究科が中心になる。日本はNGOが小規模で、また政府開発援助(ODA)などをアジアで十分に生かしきれていない問題がある。それだけに政府の社会基盤整備の遅れを補う現地NGOに学ぶ点は多いとみている。

 【用語】BRAC(ブラック)=アベッド氏が73年に設立。貧困層の経済的安定、教育普及、自立心向上による社会変革をアジア・アフリカの発展途上国で推進する。マイクロファイナンスを活用した700万人の雇用創出、450万人の独自教育プログラム実施などの成果がある。NGOながら財政の8割を自立財源でまかなう。

日刊工業新聞より