Wikipedia英語版の55年体制の説明がすごく変だ

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55-year system
From Wikipedia, the free encyclopedia

55-year system is a literal translation of the Japanese 55-nen taisei (55年体制).

This phrase refers to the large-scale political realignment which took place in Japan in 1955, in which various factions and smaller parties coalesced into several larger political parties, most prominently the conservative Liberal Democratic Party (LDP) and the liberal Social Democratic Party (SDP).

保守と革新だけじゃ何が何だかわからんから、
せめて憲法日米安保がおっきな争点だったんだよくらいは書いた方がいいかなあとは思うけど、
まあここまではいいとしよう。
*2

These two parties would be the dominant players in national politics for the next thirty or forty years, with the LDP being the chief ruling party and the SDP being the chief opposition party.

「今後30〜40年は、これら二つの政党が国内政治において支配的な役割を担うであろう」
え?えええ。
今後担うであろうって。


社会民主党日本社会党の後継団体だから、その二つの違いを55年体制の項目で明記するのが必須だとは言わないし、自民党社会党は1955年以降40年近く「第一与党」「第一野党」であったのも事実。


だけど、そもそも55年体制は1993年に細川内閣が成立して(1994年の自社さ連立政権以降でも、その次の選挙で新進党が第一野党になってからでもいいんだけど)終わったはずで、それ以降社民党が(あるいは社会党が)第一野党であったことなんてないはずだ。

Support for the Japanese Social Democratic Party has slowly ebbed over the years, and the once unquestionable grip of the Liberal Democratic Party has lately come to be loosened as well, as witnessed in the 2003 elections.


これで終わり。
この説明も正確な記述とは言えない。


2003年に社民党は大敗したけど(辻本清美が辞職した翌年で、あの土井たかこが小選挙区で落選したのはこの選挙だ)、それが「年々、徐々に衰退してきている」ことの事例だとするのは違和感がある。


2003年の選挙への言及が自民党についてだけだとしたら、2003年の選挙で民主党が野党としては記録的な議席数を確保したことが「かつて疑う余地のないほど強大であった自民党の支配力が近年弱まってきている」ことの一つの例だと言うことはできるかも知れないけれど。


日本政治に興味を持って、英語で55年体制についてググって最初に読むのはこの説明だ。
ちょっとひど過ぎるよねえ。詳しい情報を記載するかはそうしたい人がいるかで決まるだろうし、
様々な見方と意見があってその書き方が何通りもあることは間違いないけれど、
明らかに間違った情報がI'm feeling luckyで表示されるサイトに、しかもWikipediaに、
載ってるのはかなり心地よくない。


Wikipediaへの投稿の仕方を勉強しなきゃならんかな。
Wikipedia英語版、他にもこういう項目がどっさりありそうな気がするなあ。

*1:以下、55年体制についてWikipedia英語版"55-year system"の項目から全文転載

*2:日本社会党の英語での正式名称はSocial Democratic Party Japanだとか細かい突っ込み所もあるけど