どれ程遠いのか知らんけど、今すぐ海が見たいのだ

地上140メートルから見下ろした夕焼けに映える大阪は、新海誠のアニメに出てくる町みたいだった。


生田正治・元日本郵政総裁が郵政民営化の意義についてインタビューに答えてる。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/1739

 日本郵政公社が発足した時点の資金量355兆円は、当時のレベルで、国内総生産GDP)の70%に相当する額だった。そのうちの約90%強が国債、財投債、地方債、地方政府への貸付金などの形で「官」に回り、特殊法人を通じて、無駄な投資にたくさん使われ、一部は不良債権化していた。


国民の生活を守るために、税金のムダづかいをなくすって言ってる民主党は、どうやってこの巨大な組織を運営していくつもりなんだろう。

 資金の流れを「官」が一方的に持つのではなく、市場の規律・市場のガバナンスの下で運用されるようにして、日本経済を再活性化させる。金融市場を正常化させる。郵政民営化には、そうした大きな目的があった。

 そして、政府が保有株を放出するのに合わせて事業範囲を拡大し、郵政事業が自立的に収益性を高め、その力でユニバーサルサービスという公共性も守り、公的な税負担によらずして国民の生活基盤を守るという意義があった。その意義は、今も全く変わっていないはずだ。


小泉元首相は、「郵政民営化は改革の本丸だ」っていうレトリックを用いて選挙に勝った。
そしたら今度は民主党が、「小泉改革」によって格差が生まれた、国民の生活が破壊された、だから「その本丸である郵政民営化はやめる」ってレトリックを使うことになった。


郵政民営化は大きな施策の内のひとつだったけど、それだけが改革だった訳じゃない。
郵政民営化をやめれば、小泉改革が帳消しになるかっていうとそうでもない。
小泉改革を帳消しにしたら、生活が楽になるなんてシンプルでハッピーな話でもない。

 民営化法案を議論した際に、様々な収益シミュレーションを行った。10年で利益は半減する見通しで、そうなれば、現在の郵便局ネットワークを維持することができない。

 民営化して業務範囲を拡大し、民間並みに利益が出るようにする。そうすることで、公の資金に頼らずに郵便局ネットワークを維持できるという計画だった。

 今、この歩みを進めていかなければ、公社化に逆戻りするだけでなく、郵便局ネットワークを維持するために、大きな国民負担で、公的資金による救済という方向に行く可能性がある。


世界が、日本に注目してる。
「成熟した」日本社会を、「勇気ある」有権者の選択を、そして何より変化の兆しを、皆が見つめている。

 今でも、そう思っているが、日本国のために民営化が必要という信念があった。10年後に利益が半分になるシミュレーションを見て、そのまま、放置しておくことはできなかった。かといって、「民業圧迫」の大合唱の中、公社という組織形態のまま、業務範囲の拡大を望むことはありえないことだ。

 民営化し、収益基盤を拡大し、自律的に利益率を高め、そして、その力で国民の生活インフラを守るのが最良の道と信じている。


レトリックは、人の心を動かすためのもの。
そうして支援を取り付けたら、今度は中身のある仕事をする番だ。


太平洋の向こうの大統領も、同じ壁を乗り越えようとあがいてる。
負けられないじゃないか。