”Access is more powerful than ownership”


AirBnBのCEO、Brian Cheskyの話が面白かった。13分弱のスピーチなんだけど、きっちりAirBnBのビジョンとSharing Economyとは何かについて説いている。


1. まず、今の社会の矛盾を分かりやすく伝える。いわゆる「大量生産大量消費大量廃棄」社会について。


アメリカ人の家には、必ず電動ドライバーがあるよね。みんな持ってる。どの家にも必ずある。全米で8000万台もの電動ドライバーが家庭にあると言われてる。でも、それが平均で生涯どれくらい使われるか知ってる?たった13分だ」


2. その解決策としてのSharing Economy、そしてそれは決して新しいアイデアではないことを身近な例で示す。


「最初にAirBnBのアイデアベビーブーマー(※1946年から1964年の間に生まれた人たち。今なら67歳〜49歳ってことになる)の両親に聞いたら、クレイジーだって言われた。皆さんの多くも、当時聞いたらそう答えたんじゃないかな。でも、じいちゃんに聞いたら"そんなの当たり前だ"って言うんだ。"俺らの時代は、みんなそうやって旅したもんだ"ってね」


キーワードは"Access is more powerful than ownership"。そんなこと言われるとまたダーレンドルフを思い出しちゃうけど、まあ置いとこう。


AirBnBはサンフランシスコに本拠地がある。そのサンフランシスコでは、ファーマーズ・マーケットが大盛況だ。今やファーマーズ・マーケットは世界中のウォルマートの数よりも多いんだそうだ。そんなファーマーズ・マーケットでは、スーパー・マーケットでの買い物と比べると10倍も話すと言われてる。これはソーシャル・エクスペリエンスだよね。そして70年前、それはふつうのことだった。市場に行って、様々な人と会話を交わし、ものを買う。当時の買い物はまさにcollaborativeだったんだ」


3. ここで一端、大きな流れについての話。


インターネット第一の波:1995年、すべてがオンラインに - e.g. Amazon, eBay
第二の波:2004年、人々がオンラインで繋がる - e.g. Facebook
第三の波:現在、オフラインでも人々が繋がる - e.g. AirBnB


Sharing Economyはインターネット第三の波であり、リアルに人々が繋がる状況の到来である。
例えばAirBnBで言えば「NYでは、すべてのブロックにAirBnBで借りれる部屋がある。その部屋の持ち主たちは平均で年間2.1万ドルもの売上を得てる」なんてことが既に実現されている。


4. そして、AirBnBのビジョンを語る。


国境を越えてあらゆる人がリアルに繋がる社会の実現。
世界中の街に存在するありとあらゆるアセットがシェアされる社会の実現。


5. 最後に、さらっと大事なキーワードを挟む。


すべてのビルの、すべての部屋のドアがクリックひとつで開かれることを目指す - その鍵は"broader currency of trust - online reputation"である…


いやあ、何度もトライ・アンド・エラーを繰り返して、修正して、シェイプされてきたメッセージの強靭さを感じさせられるスピーチだった。